大会概要About
メインテーマ:
さまざまなSSTの新たな広がり日程:
オンライン開催 2022年7月9日(土)
オンデマンド配信 2022年7月15日(金)〜8月28日(日)方法:
オンライン開催、およびオンデマンド配信大会長 :
岩田和彦(大阪精神医療センター)
実行委員長 :
福永佳也(大阪府岸和田子ども家庭センター)
実行副委員長:
瀧本優子(梅花女子大学)
教育講演
テーマ『教育分野におけるSSTの取組』講師:伊丹昌一(梅花女子大学 教授)
【紹介文】
伊丹昌一氏は、大阪府立高校等での勤務を経て、兵庫教育大学で修士号を取得され、平成19年からは大阪府教育センターで指導主事としてご活躍される傍ら、ADHD親の会への支援をはじめ、日本LD学会等での研究報告や著書も多数あり、発達障がいのある人々への教育や支援について豊富なご経験をお持ちです。
梅花女子大学での子どもを対象にしたSSTの取り組みをご紹介いただき、教員や支援者、保護者を支援するための教育現場における実践内容についてもお話いただく予定です。SSTは、いつでも、どこでも、誰でも、参加できるよう広がり続けています。教育現場での取組や子どもを対象としたプログラムからの学びも多いと思いますので、ぜひ講演内容にご期待ください。
特別講演
テーマ『コミュニケーションとは』講師:平田オリザ(芸術文化観光専門職大学 学長)
【紹介文】
度重なる交渉の末、平田オリザ氏にお引き受けいただけました。同氏は、劇団『青年団』の主宰者であり、日本を代表する劇作家のお一人です。2021年4月より、演劇と観光を学べる日本初の国公立大学として豊岡市に開学した「芸術文化観光専門職大学」の学長に就任されておられます。
『コミュニ―ションとは』をテーマに、これまで自治体やNPOなどと連携した総合的な演劇教育プログラムの開発や、社会と演劇の接点を生み出す研究に関わられた経過、開学時より多くの入学志願者が集まり、地域社会にも好循環を生み出している専門職大学での授業内容等の取り組みもご紹介いただきます。改めて私たち自身のコミュニケーションについて振り返り、今後にむけたヒントが得られるのではないでしょうか。これまでのワークショップにはなかった魅力的なお話が満載かと思います。どうぞこの貴重な機会をお見逃しないようになさってください。
シンポジウム
『さまざまなSSTの新たな広がり』司会:SST普及協会学術委員 村本 好孝(株式会社ここから)
【紹介文】
今回の経験交流ワークショップのテーマは、『さまざまなSSTの新たな広がり』です。ご存じのように、SSTと一言でいっても、色々な実践が全国には存在し、様々な工夫がなされています。今回は、各地(北海道支部・南関東支部・近畿支部)で実践されているSSTの研修会の工夫や精神領域以外への普及啓発、そして、コロナ渦で急激に普及しているオンラインでのSST実践をご紹介していただきます。日々のSSTの実践だけではなく、支援の在り方や考え方など、実践知を深める機会となればうれしく思います。ぜひ、ご覧ください。
シンポジスト
①南関東支部 千葉裕明(三木メンタルクリニック)
【紹介文】
ポストコロナになって2年以上が経ちました。南関東支部は6都県で構成されていますが、都道府県別の新型コロナ累積感染者数トップ10にそのうち4都県が含まれています。つまり、ポストコロナの生活様式の変化が会員サービスに及ぼす影響がもっとも大きい支部のひとつであると言えます。そこでまずは、ポストコロナにおける南関東支部の会員サービスについて、支部事業を通じた取り組みを紹介したいと思います。その後、支部事業への参加のない、いわば顔の見えない支部会員の皆さんの「声なき声」を聞くための取り組みとその結果の一部を紹介し、本シンポジウムに参加する皆さんとSSTの新たな広がりについて共有したいと思います。
②北海道支部 上村嵯知(札幌市立栄町中学校)
【紹介文】
近年、SSTは医療・福祉・司法・教育等、様々な分野に広がりを見せており、参加者のニーズに合わせた形で展開されていますが、昨今の新型コロナウィルス感染症により、今までの対面式だけではなく、オンラインやハイブリットでの研修等、SSTの新たな形での展開と進化しています。今回のシンポジウムでは、北海道支部の取り組みとともに、ここ最近、ニーズが高くなっている教育機関でのSSTにも触れつつ、支部との連携についても報告します。
③近畿支部 松下健史(大阪リハビリテーション専門学校)
【紹介文】
COVID-19 が世界規模で猛威を振るう中、不特定多数が集まる精神科デイケア(以下 DC)においても、対面でのプログラムが制限され、感染への不安から通所が困難となるDCメンバーが散見されていました。医療現場だけではなく多くの社会生活に制限が生じる中、新しい介入方法の一つとして使用されているWeb会議ツール「ZOOM」を利用して、「誰でも」「どこからでも」参加できるSST(以下オンラインSST)を、SST普及協会近畿支部で活動している先生方の協力のもと、A精神科クリニックにて2020年10月より月1回のペースで実施しています。今回はコロナ禍であるからこそ始まった、オンラインを使用しての臨床での取り組みの可能性について事例を交え報告します。
セミナー(共催:大塚製薬株式会社)
テーマ『パーソナル・リカバリーを目指した支援について』座長:岩田和彦(大阪精神医療センター 院長)
講師:松田康裕(大阪精神医療センター 地域連携部部長)
【紹介文】
統合失調症をもつ人では社会機能に神経認知機能が関係し、この神経認知機能は健常人と比較して中等度から重度の障害がみられるため、認知機能リハビリテーションやSSTなどを組み合わせて実施することで神経認知機能を改善させることが重要である。
日本で実施されている認知機能リハビリテーションはいくつかあるが、なかでもVocational Cognitive Ability Training by Jcores(以下、VCAT-J)は就労を目的としている。VCAT-Jはパソコンソフトを用いたトレーニングであるため、デイケアや就労環境に比べて関わる要因を単純化できるため、課題へ取り組む姿勢や認知機能の特徴をアセスメントしやすく、自己理解を深められることが特徴である。また筆者らはアバターを用いて基礎的なソーシャル・スキルをトレーニングするためのプログラムをすでに開発しており、発表当日に紹介したい。
一方で、抗精神病薬の認知機能に対するエフェクト・サイズは限定的であると報告されているが、ブレクスピプラゾール(以下、BRX)は、5-HT1A受容体への部分アゴニスト作用を有しており、認知機能への改善効果が期待される。発表当日は当院に外来通院している統合失調症患者におけるブレクスピプラゾールの使用実態についても紹介したい。
※医療関係者のみ視聴可となります。
※質疑応答あり
特別企画(協賛:(株)中島映像教材出版)
岩坂英巳先生追悼企画テーマ『学齢期のSSTを通して』
研究・実践報告
岩坂英巳先生追悼企画テーマ『仮想エージェントによるSSTシステムの構築と評価』
司会:大会実行委員会
講師:田中宏季(奈良先端科学技術大学院大学 助教)
【紹介文】
我々は、人間が行うSSTの補助としての活用を期待し、仮想エージェントを使用したSSTシステムの構築を目指している。本研究は、奈良先端大と奈良県立医大の共同研究により実施されている。これまでに我々は、仮想エージェントを用いた社会的コミュニケー ション訓練技術を構築し、その影響を調査・評価してきた。我々は、「自動ソーシャルスキルトレーナー」と名付け、精神科医師が行うソーシャルスキルトレーニングを仮想エージェントで再現するためのシステムを構築した。
これまでに主に以下の3点:
(1) 精神科医師が行なうSSTデータの収集と分析
(2) 仮想エージェントによるフィードバックの計測・提示方法の提案
(3) SSTシステムによるソーシャルスキル改善の効果判定を行った。
本発表では、上記3点に関連する種々の研究を紹介する。
分科会
分科会A【定員30名】 誰でも参加できるSST❶ ※定員に達しました。講師:吉田みゆき(同朋大学)
【紹介文】
私は同朋大学で2010年から「誰でも参加できるSST」(以下、「誰でもSST」)を開催しています。その経験から「誰でもSST」の魅力を①文字通り「誰でも」参加できること、②病気や障害が有る無しに関係なく市民として参加できること、③その結果,参加者同士が繰り広げるSSTではたくさんの参考となる場面が生まれ、それがよい雰囲気を醸し出すことと考えています。 この分科会はオンライン開催の「誰でもSST」ですが、画面を通した参加者同士の交流から新しい魅力を発見していきたいと考えています。「こんなこと練習したいな」という方だけでなく、「オンラインの『誰でもSST』ってどうやるの?」と興味をお持ちの方、どうぞご参加ください。
分科会B【定員30名】 精神科領域におけるSST ※定員に達しました。
講師:渉里さやか(吉祥寺病院)
【紹介文】
精神科領域におけるSST~グループから個別SSTへ
精神科病院の現場で実際SSTを行っている立場から、臨床の場で役立てられるSSTを実際web演習で一緒に体験しましょう。退院して地域で生活するためには様々な社会的スキルが要求されます。当院では服薬モジュール、退院支援モジュール、ステップバイステップ+基本訓練モデルの併用型をプログラムに導入しています。その中で患者様が自ら社会に巣立つことができるよう支援しています。実際、SSTでの練習が活かされ患者様から「相談がうまくできた」「要点をうまく伝えられるようになった」等SSTが今後の生活に役立てられていることを実感しています。グループはもちろん個別SSTのエッセンスをお伝えし、いつでもどこでも気軽にできる方法を一緒に考えて行きましょう!!
分科会C【定員30名】 SSTに活かすアセスメント ※定員に達しました。
講師:小山徹平(東京都立精神保健福祉センター)
【紹介文】
SSTは「アセスメント」「セッション」「般化促進」の3つの柱から成り立っています。それほどに「アセスメント」は、SSTにおいてとても重要かつ大きな役割を担っています。また「アセスメント」にも、事前アセスメントやライブアセスメント(セッション中にロールプレイを見ながらその場で行うアセスメント)など様々な種類があり、それぞれにポイントがあります。時にはソーシャルスキルだけでなく、参加者のニーズや想い、夢や希望に寄り添っていく視点が大事になることもあるでしょう。本分科会では、それぞれのポイントを、実践を通して学んでいく予定です。明日から生かせるポイントを、初心者の方から中上級者の方まで、皆様にお伝えできればと思っています。
分科会D【定員30名】 誰でも参加できるSST❷ ※定員に達しました。
講師:佐藤史教(岩手県立大学)
【紹介文】
2015年から岩手県盛岡市で誰でも参加できるSSTを行っています。2020年度からは新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、Zoomを用いて遠隔形式でも実施しています。分科会では遠隔形式による誰でも参加できるSSTを実際に体験していただこうと思っています。講義では、SSTの基礎的なことをお話しさせていただいた上で、大会テーマである「さまざまなSSTの新たな広がり」をふまえ、刑務所でのSSTと学校でのSSTについて紹介します。刑務所でのSSTはさまざまな研修会で紹介していますが、毎回好評を得ています。たぶん、いや、きっと!その後、SST体験もしていただこうと思います。盛りだくさんの内容で皆様の参加をお待ちしております!
分科会E【定員30名】 こどもの生きる力を育む ※定員に達しました。
講師:土屋徹(Office 夢風舎)
【紹介文】
コロナ禍の今、こどもたちの生活には今までにないような変化がみられています。学校での学習形態や行事等の変化・ソーシャル・ディスタンスの順守により、コミュニケーションを身につける機会が減ってしまっています。 また、障害や発達が気になる部分を持ったこどもたちは、コロナ禍での環境の変化によって、他者との交流の場が減っており、将来的に社会生活に影響が起きてしまうのではないかと懸念されています。
この分科会では、こどもたちがコミュニケーション力を身につけていくための取り組みの一つであるSST(ソーシャルスキルトレーニング)を知ること。教育の場や放課後等デイサービス等において、こどもたちに合わせた取り組みや練習方法を紹介したいと思います。
分科会F【定員30名】 SSTに活かす認知への働きかけ ※定員に達しました。
講師:片柳光昭(みやぎ心のケアセンター)
【紹介文】
「SSTの時間は上手なんですけど、いざ就労訓練場面になると全然…」
これは、私がSSTを実施していた就労移行支援事業所の職員さんからの一言でした。利用者の皆さんはSSTをとても楽しみにしている、だからSSTの時間は積極的に取り組んでいる、けれども、SSTが終わると学習したスキルは他の場面で生かされていないのだそうです。
この状況を解決するための取り組みが、認知への働きかけでした。認知の働きかけをSSTのセッションに取り入れることで、主に2つの変化が起こりました。1つ目は、「スキルを発揮した方が良さようだ」という思考を利用者さんが自ら導き出せるようになったこと、2つ目は、その結果、必要な場面でスキルを活用するようになったことです。キーワードは【悪魔のささやき】です。皆さまのご参加をお待ちしております。
ちょっとええ話シリーズ
【紹介文】SST普及協会近畿支部、および誰でも参加できるSSTキャラバン(いつでもどこでも誰でも参加できるSSTを目指して2019年10月設立、昨今はオンラインSST「どないでも参加できるSST」を継続開催中)におけるアーカイブ映像を、本ワークショップにご参加のみなさまに限定配信でご視聴いただけることとなりました。
未来に残したい、心に染み入る“ちょっとええ話”、こんなお買い得なん、今だけです。オンデマンド配信期間中は、なんべんでも聴いてってください。講師の先生方、ええ話を!ほんまおおきに。
ちょっとええ話シリーズⅠ
講師:品田秀樹(NPO法人SST交流会)
【紹介文】
「ええお話」は、長岡SST交流会の「誰でも参加できるSST」。良い思い出を積み重ねていくことでよい練習ができるという品田先生の言葉通り、随所に緊張しない場づくりのアイデアが満載、いつの間にか品田先生ワールドに引き込まれてしまいます。
ちょっとええ話シリーズⅡ
講師:熊谷直樹(東京都立中部総合精神保健福祉センター)
【紹介文】
「ええお話」は、リカバリーを助けるSSTの発展~認知行動SSTを中心に~。
認知行動SSTについて、「認知機能・SST・問題解決」の3つのモジュールを紹介、思考と感情と行動のつながりをわかりやすく解説し、明日からのセッションにすぐ活用できるコツが満載の「とってもええお話」です。
ちょっとええ話シリーズⅢ
講師:浅見隆康(群馬大学健康支援総合センター)
【紹介文】
「ええお話」は、「私たちはつつがない毎日を送っている」…冒頭からぐっと引き込まれます。私達は常にSSTを行い続けている、それはどういうことか。事例を通して、行動を変えることで気持ちが楽になるSSTのエッセンスに触れることができるお話です。
ちょっとええ話シリーズⅣ
講師:皿田洋子(六本松心理教育臨床オフィス)
【紹介文】
「ええお話」は、小学校でのSST~子供たちに何をもたらしたか~です。皿田先生が長年、取組まれた小学校でのSSTの実践、研究についてお話いただいています。「子供たちがどう感じたか?」を大切にしている先生のお話は、対象や領域を問わず、正にSSTの基本です。
ちょっとええ話シリーズⅤ
講師:河岸光子(吉祥寺病院)
【紹介文】
「ええお話」は、精神科訪問看護サービスとしてのSSTについて、「練習する場面はいつもそこにある」との言葉が印象的です。生活そのものの中に入って展開されるSSTのスピリットを感じる事のできるお話です。
ちょっとええ話シリーズⅥ
講師:北岡祐子(創シー・エー・シー)
【紹介文】
「ええお話」は、就労支援のためのSST~ 「仕事だいじょうぶの本」になるまで~。
利用者の方々の悩みに耳を傾け、対処方法を模索し、練習してきた長年の蓄積がまとめられたバイブルです。誰もがいつでもどこでもすぐに実践できるSSTを紹介し、本当のコミュニケーション力とは何かがよくわかります。
ちょっとええ話シリーズⅦ
講師:木澤恵子(上越地区保護司会)
【紹介文】
「ええお話」は、「面接におけるコインマップからのひとりSST」。面接における見立ての補助としてコインマップを使った事例を紹介してくださいます。魅力的なお話はもちろんのこと、木澤先生が保護司になられた経緯や、木澤先生の本業にびっくりします。